「音質」って何なのかしら

その『ユリイカ』の鼎談でも大友良英さんがちょっと触れてて、その後JAMJAM日記*1でも話が出てるけど、「MP3は音が悪い」みたいな物言いにはなかなか微妙な問題があるなぁと思った。べつにそういう趣味判断を表明することそのものはかまわないんだけど、話が「わかる/わからない」みたいなところにいってしまうと、どうにも居心地の悪い思いを感じる。「わかってる=耳のいい人/わかってない=耳の悪い人」みたいな序列化がそこに出てくると、ちょっと待ってくれ、ってことにならないかしら。
当たり前のことだと思うけど、音の聞こえ方って、ほんのちょっとしたことでも大きく変わるから、録音されたものをどういう環境で再生するかってことでもかなりの違いが出る。わたしなんかだと、家にいるときはコンポ2種類とラジカセ2種類、それにパソコン(おもにiTunes)を状況によって使い分けてるし、ほかに車のオーディオもあるけど、やっぱりどれを使うかで、たとえ同じCDであっても聞こえ方はずいぶん異なる。スピーカーから音を出すのとヘッドホンとかを使って聴くのでもまたちがった印象を受ける。
そういう「差異」を「良し悪し」の問題として語ってしまうと、何かがちがうような気がしないかしら。どこかに「本物の音」「最高の音質」みたいなのがあって、CDやMP3はそこから疎外されてるみたいな物言いってどうなのかなぁ。そもそも「音質」っていうものをどう考えたらいいんだろうか、みたいなね。うーむ。

*1:http://d.hatena.ne.jp/otomojamjam/
とくに3/2,3あたり。コメント欄の巻上公一他の人の発言なども含めて。